### ２　「島」名がつく地名 ***
##### ［　位置・方向　］
**上島(かみじま)**（古上野）・**上ノ島(うえのしま)**（示野）・**下島(したじま)**（青島）・**下島(しもじま)**（天正・五ヶ・古上野）・**中ノ島(なかのしま)**（天正）・**東島(ひがしじま)**（高儀新）・**東上島(ひがしかみじま)**（五ヶ）・**東下島(ひがししもじま)**（五ヶ）・**西島(にしじま)**（天正・古上野）・**西上島(にしかみじま)**（五ヶ）・**西下島(にししもじま)**（五ヶ）・**北島(きたじま)**（五ヶ・古上野・筏）・**向島(むかいじま)**（古上野）・**端島(はなじま)**（青島・天正）・**中挾島(なかばさみじま)**（古上野）・**東飛地島(ひがしとびちじま)**（青島）・**飛地島(とびちじま)**（示野）
「島」名がつけられた『いわれ』は、前章で述べたとおりである。地形が島のように少し高い（洪水の被害がうけにくい微高地）ところかも知れないが、一般に川跡など原野を開拓した一区画をいう。
上・中・下・東・西・北はいずれも位置を示し、『向』は集落の南側、『端』は村の『はずれ』、遠く離れたところ。『中挾』は先につけられた地名と地名に挟まれたところで、新しい開拓地。『飛地』とは他の村領内の未開拓地を開拓したところ。

##### ［　場所・形状　］
**大島(おおしま)**（青島・古上野）大は広い意。
**丸島(まるじま)**（青島・筏）ほぼ丸い地形か。
**薮島(やぶしま)**（青島）川跡で薮が多いところ。
**磯島(いそじま)**（天正）大きい石がゴロゴロしたところ。
**示野島(しめのじま)**（示野）新開されて「示野新村」と名づけられたが、そのなかでも未開拓地をさすのか。
**谷内島(やちじま)**（三谷）谷内とは、谷間の小盆地で湿地の多いところか。
**片田島(かたたじま)**（三谷）片方（半分）だけが田地に開墾されたところか。
**散野島(ちりのじま)**（天正・五ヶ・高儀新・筏）あちこちに野（未開拓地）が散在しているところか。
**鍋蓋島(なべぶたじま)**（筏）鍋ブタのように丸いところか。あるいは小さい意か。
**柴草田島(しばくさたじま)**（示野）柴や草が生繁っている土地の意か。
**八斗丸島(はっとまるじま)**（古上野）八斗は、米が八斗（一斗は十升）しか収穫できない狭い土地か。あるいは八斗は湿地帯のことか。『丸』ははまるいのほか、太郎『丸』・五郎『丸』（いずれも砺波市）のように、「島」と同意語でもある。
**今保島(こんぽじま)**（天正）『今保』はコン棒あるいはゴンボ（牛蒡(ごぼう)）のあて字で、細かく、狭いという形状を示しているのか。
**茄島(なすじま)**（示野）ナスの型によく似た土地。あるいは小さい（狭い）ところか。
**麦田島(むぎたじま)**（青島）麦が生繁っていたところか。
**柳川島(やながわじま)**（古上野・筏）柳が繁っている川縁付近の意か。
**川原島(かわらじま)**（古上野）川原のように石がゴロゴロとした土地か。

##### ［　開墾者の名称　］
**権左(ごんざ)島** ・ **九右衛門(くえもん)島** ・ **万右衛門(まんえもん)島** ・ **権三(ごんそ)島** ・ **久八(きゅうはち)島**（いずれも青島）・ **小太郎(こたろう)島**（示野）・ **八兵衛(はちべえ)島・佐右衛門(さえもん)島**（いずれも天正）・ **長次郎(ちょうじろう)島**（天正・五ヶ・青島）・ **仁平(にへい) 島** ・ **三四郎(さんしろう)島・勘兵衛(かんべえ)島**（いずれも五ヶ）・ **助九郎(すけくろ)島**（古上野）・**十兵衛(じゅうべえ)島**（古上野・高儀新・筏）・**孫右衛門(まごえもん)島**（高儀新）

※　このページは、榎木淳一『村々のおこりと地名』〈地名のルーツ＝庄川町〉（1979年）をもとに作成したものです。

お知らせ

村々のおこりと地名⑰

〈地名のルーツ＝庄川町〉 榎木淳一

〈地名のルーツ＝庄川町〉　榎木淳一