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自然
庄川は数千年前から流れていました。長い年月をかけて流れを変えながら現在の庄川ができあがりました。庄川流域は多様な自然が広がっており、流れに沿って上流、中流、下流と流域によってそれぞれ異なった自然に出会えます。また、魚や植物など流域の生態系によって、庄川の水のきれいさを知ることができます。
地質と風
庄川の地質は、上流の岐阜県内は新第三紀系以後の石英粗面岩(せきえいそめんがん)が広がり、白山山脈に接する地域には片麻(へんま)岩や花崗(かこう)岩などが見られます。富山県に入って利賀川合流点付近では金屋石とも呼ばれる緑色凝灰(ぎょうかい)岩の露頭が見られます。庄川の扇頂部(せんちょうぶ)は、下層の第三紀層が川に浸食され、新たに砂礫(されき)層が堆積(たいせき)して現在の扇状地が形成されました。 気候の特徴としては、庄川の扇頂部(せんちょうぶ)は山側から吹く南西の風が多く、春先のフェーン現象で川に沿って山から吹き下ろす乾燥した熱風が庄川の谷口付近が特に強く吹きます。また庄川嵐(しょうがわあらし)と呼ばれる南風によって平野に露(つゆ)が降りないことから、庄川周辺の地域は全国でも良質の種籾(たねもみ)や素麺(そうめん)の産地となっています。
鎧壁
庄川の流れ
庄川町南側山麓の河岸段丘で、縄文時代(16500年前~3000年前)の中期と見られる縄文土器や「石錘」(漁網の錘)が出土しており、庄川縄文人は庄川で網を使って漁をしていたと考えられています。すなわち、5000年前の庄川は南側の山麓の第3河岸段丘沿いを西に向かって流れていたのです。 時代が下ると奈良時代の庄川は、現在の庄川町金屋から北西にむかって小矢部川に合流し、上流を「雄神川」、合流地点の下流を「射水川」と呼ばれていました。そのあとは洪水がおこるたびに野尻川から中村川、荒俣川、千保川へ。大きな流れは、じょじょに西から東へとうつっていきました。その間も庄川は洪水をくり返し、そのたびに流れを変えてきました。堤防が築かれ、現在の流れに落ちついたのは、300年ほど前のことです。
魚類
川には環境基準があり、科学的な数字でしめされますが、住んでいる魚の種類や数も、水質をはかるひとつの目安になります。庄川も汚染が心配されたこともありましたが、年々改善されてきれいになってきました。「イワナ・ヤマメ」は清流にしか住めない魚ですが、庄川上流の五箇山あたりにはたくさんいます。 いまでは、「アユ・サケ・コイ・フナ」は中流より上にのぼることはありませんが、昭和のはじめころには、岐阜県白川村にもサケやマスがたくさん泳いでいたそうです。庄川の中流から下流には、アユ釣りのポイントがたくさんあり、砺波市などはおいしいアユやその加工品が特産になっています。
庄川の魚
植物
庄川合口堰堤近くの斜面の上部にはめずらしいサイカチ、シャガの群生があります。周辺には、ほかにアケビやクズなどのツル性植物、エノキなどの樹木も見られます。 中流から下流の河原にはススキ、ツルヨシ、アキグミ、カワラハハコ、オニグルミなどが生え、堤防ぞいの高い場所にはアカマツなども見られます。 下流から河口にかけてはヤナギ類を中心にツルヨシやオギ、ハマヒルガオなどが群生しています。また、流れがゆるやかな河口付近には、フジバカマなどが見られます。
庄川の植物・鳥類
鳥類
中流部の広い砂地にはカワウ、コアジサシなどが集まり、少し高い草原ではオオヨシキリ、ヒバリ、カワラヒワなどが見られます。 下流部の中州付近はカモメ類やカモ類、サギ類など数多くの鳥が集まり、越冬や休息、繁殖の場になっています。