イワナ

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サケ科イワナ属に分類される淡水魚。イワナ属は体色や斑紋の変異が大きく分類は混乱していたが、最近になってオショロコマ(2亜種)と、アメマスおよびイワナ(3型)に分ける説がほぼ定着している。本県で見られるのはイワナのニッコウイワナ型で体側下方に瞳と同じか、やや大きい黄色や橙色の斑点があり、背から側線にかけてはこれらの斑点よりも小型の白点が散在することで区別される。しかし斑点の色、数、大きさは成長や地域による差が大きい。ニッコウイワナ型の分布は鳥取県以北の本州日本海側と山梨県以北で知られるが、ほかの型との区別が不明瞭なため、分布の境界は明確ではない。本種は冷水性の魚で、一般に河川の最上流部に生息している。
 県内でも各水系の上流部に広く分布しており、急流が多い県東部の河川では河口近くでも見られる。黒部川源流の雲ノ平の標高2400メートル辺りまで分布しており、日本で最も標高の高い生息地といわれる。貪欲な魚で水生昆虫や水に落ちた陸生昆虫を主食とし、川魚やカエル、ヘビなども食べる。産卵は秋で、流れの幅が1~2メートルほどの支流で行われることが多い。満2年で大部分が成熟し産卵に参加する。5~6年ほど生きるといわれ、湖では全長50センチメートルを超える大型になるが渓流では大きいもので全長40センチメートルぐらいである。渓流釣りの対象魚として有名で、養殖も盛んに行われ各地で放流されるが、各河川に本来生息していた原種は河川工事や釣りなどの影響で減少している。主に塩焼きにして食べられるが、素焼きのイワナを入れた器に熱燗の日本酒をたっぷり注いで飲む「骨酒」は有名。

資料名
イワナ
種別
その他(自然)
出典
写真提供:魚津水族館

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